【映画レビュー】『リディバイダー』の感想【ネタバレ有】
3人称視点と1人称視点の両方を用いた新しいSF映画です。
設定は面白いですが展開とオチが残念な映画でした。
あらすじ
人口の増加によりエネルギーが枯渇し始めた近未来。エネルギー問題を解決するため、 ある電力会社は有機物の存在しない地球を複製し、そこからエネルギーを得るというプロジェクトを実現した。 プロジェクトは成功したかのように見えたが、2つの世界を結ぶタワーの暴走により、各地で異常気象が発生し始める。 主人公は会社の依頼で、世界の均衡を保つために複製された地球「エコーワールド」へ訪れるが、 会社の説明とは異なり、エコーワールドには現実と同じ人間が生活していた。 現実世界とエコーワールドどちらを犠牲にするか、主人公は選択を迫られる。
評価
★★★☆☆
感想
エネルギー問題を解決するために地球をもう一つ作ってしまうという発想はとても面白いですが、
ストーリーは正直微妙でした。
個人的に気になったところを以下にまとめます。
1人称視点である意味
地球複製前後の現実世界のシーンとエコーワールドにいるシーンが交互に描かれているんですが、 エコーワールドにいる時は主人公の1人称視点になっているんですよね。
1人称視点はFPSゲームの画面のようで確かに面白いんですが、1人称視点が生かされる場面があるわけじゃないので もったいないなあと思ってしまいました。ご都合主義の展開
この作品では武装したドローンや戦闘員みたいな人と主人公が戦うシーンが何度か挟まるんですが
ご都合主義展開でよくある「敵の弾は当たらないけどこっちの弾はよく当たる」現象が頻発します。
他にもヘリが墜落して、敵は全滅したけど主人公側は無傷みたいな。
展開的にここで主人公の足を止めるわけには行かないってことなんでしょうけど
それならもう少し敵勢力を弱体化したり主人公側に強力な助っ人を入れたりしてバランスをとった方がいい気がします。同じようなシーンが多い
1にも書きましたがエコーワールドでは武装ドローンとよくエンカします。
そのたびドローンに見つからないように隠れたり、見つかったら戦って倒したり…
まあ主人公が暴走を止める鍵をタワーに運ぶだけのストーリーなので
途中途中に戦闘シーンを挟まないと尺が足りなくなるんだと思うんですが
それにしても戦闘シーンが単調で面白みがないんですよね。またドローンかよって。会話が成り立ってない
主人公が敵対勢力に捕まって質問されるシーンなんですが、会話が完全にドッジボールで笑ってしまいました。
以下抜粋
敵「何者だ?」
主「ここから出してくれ」
敵「アルタプレックス(電力会社)の人間か?」
主「解放しろ」
敵「雇い主は?」
主「何だと?」
演技は真剣な感じなので笑う場面ではないんでしょうけど緊迫感があまりないのでギャグシーンなのかなと思っちゃいました。オチが弱い
サスペンス映画みたいに最後にどんでん返しがあるわけじゃないんですよね。
現実世界だと思っていた方が実は複製された世界だったとか予想してたんですけど見事に外しました。
まとめ
以上が映画『リディバイダー』の感想です。
結構辛口な評価になってしまいましたが設定が面白いですし、映像も素晴らしいのでまあまあお勧めはできる映画です。
もし現実世界の方を犠牲にしていたらどうなっていたのかなど考えると楽しいですね。